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2017年 11月 01日

俳句の会「交譲葉」29年10月句会報告

俳句の会「交譲葉」29年10月句会報告

  1. 開催日時  29.10.28(土)10:00~12:00

  2. 開催場所  生涯学習センター C―201会議室

  3. 参加者   宮内・漆野・朝倉・青木・小川・森川・菅原・安居

      の8名(投句は9名)

  4. 兼 題   兼題「夜長」

  5. 選 句   8点句(1)、4点句(1)、3点句(2)、2点句(3) 

     1点句(12)を選句した。

    (8点句)

    破寺(やれでら)も化粧(けわい)しにけり薄紅葉・・悠閑亭徹心(宮内)

    (選評)

    以前スペインへ行った時、街路樹の真黄色の銀杏の黄葉の見事さに圧倒されました。そして京都の東福寺や天竜寺の燃えるような真っ赤な紅葉に目の覚める思いでした。でもあまり観光客も訪れないような山の中腹にある荒れ寺のようなひっそりとし佇まいのお寺には黄色も薄く赤も濃淡があり、様々な絹糸でひと針ひと針刺繍したような微妙な美しさに満たされていました。日本の紅葉は美しい。淡い色に彩られた静かなお寺の静けさに浸っているような美しい俳句だと感じました。(鴇 香子)

    (4点句)

    名月を過(よぎ)り飛び行く医療ヘリ・・・・悠閑亭徹心(宮内)

    (選評)

    『名月』に『医療ヘリ』という意外な取り合わせですが、『過り飛び行く』と繋げたことで月の輝く静かな夜空にヘリの動きが加わりました。
      名月を眺める心のゆとりやゆったりとした時間に対して、切羽 詰まった気持ちや一分一秒を争う緊急性。さらに、月を愛でる日本人の変わらぬ精神性に対して、牛車からヘリに進歩する技術。
      対象を同調ではなく対比で捉えた視点が新鮮で良いなと思いました。
    (武  美)

    (3点句)

    鯔飛んで小舟傾ぐやかしぐや隠岐の海・・・・小西 小牧

    蕎麦の花曇天散らす白さかな・・・・・・・・・・武   美(小川)                               

    (2点句

    キャンパスを埋め尽くしたり銀杏散る・・・・・・青木 艸寛

    常世(とこよ)なる向こう旅路の伊勢の秋・・・・菅原 互酬

    稲架(はぜ)掛けやスズメも見入る屏風かな・・・菅原 互酬

    (1点句)

    夜長し奥の細道また読まむ・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心(宮内)

    ひとり居て来し方思ゆ夜長かな・・・・・・・・・小西 小牧

    長き夜や八海山と語り合ひ・・・・・・・・・・・漆野 達磨

    ひとり寝の部屋の広さや夜長し・・・・・鴇  香子(朝倉)  

    長き夜に耳傾ける深夜便・・・・・・・・青木 艸寛

    秋深し古都に残した多き夢・・・・・・・・・青木 艸寛

    丁寧な夫の珈琲夜長かな・・・・・・・・・・武   美(小川)

    長雨を恵みと庭の石蕗咲けり・・・・・・・・武   美(小川)          

    積む読の高さ減らさん夜長かな・・・・・・・夢   心(森川)

    静けさや団栗一つ落ちる音・・・・・・・・・夢   心(森川)

    永き夜や月の色人住むという・・・・・・・・菅原 互酬

    長き夜や爪弾く音色つれづれに・・・・・・・鷹   嘴(安居)

    (投 句)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

    そぞろ寒スカイツリーも暖仕様・・・・・・・小西 小牧                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

    小波と戯む磯魚(いさな)の浜の秋・・・・・漆野 達磨 

    茹で栗を匙(さじ)で掘じるも習いなり・・・漆野 達磨                

    金木犀香り求めし散歩道・・・・・・・・・・鴇  香子(朝倉)

    ススキの穂風に揺られし君と行く・・・・・・鴇  香子(朝倉)                 

    道の上に白や紫零れ萩・・・・・・・・・・・夢   心(森川)

    夜学通ふ日々も有りしや朝の風呂・・・・・・鷹   嘴(安居)

    吾ひとり鳴虫山に泣き虫の・・・・・・・・・鷹   嘴(安居)

           

  6. 句会後記 悠閑亭徹心(宮内)

    今句会の兼題”夜長“の投句は面白い選句結果だった。多点句は無く、九句すべて一点句。長い夜を過ごすことの表現視点は”弦楽器を徒然に弾く“、”珈琲をいつもと違ってじっくりと淹れる“、”ラジオ番組に傾聴する“、”来し方行く末に思いを馳せる“、”美味い日本酒をゆっくりと時間を掛けて味わう“、”難しい本に再挑戦する“、”月を眺めて空想の羽を拡げる“等々で同人それぞれの個性が反映されたものであった。そして句の講評では意見・異見・見解が活発に語られた。        知らなかった語句とその意味来歴、より良い句にするための言い回し・語順・平仮名か漢字かカタカナか・切れ字のより良い使い方等面白くてためになる時を持てた。

    拙は句会の後、かねて予約の一茶双樹記念館での「三愚集」をテーマとした講演を聞きに行った。秋元家の秋元梧樓氏が大正末にプロデユースした一茶本で、面白いのは、漱石が“句は一茶,画は芋銭、書は漱石。一茶は愚物なり、芋銭はさらに愚物なり。漱石は最も愚物なり。三愚を一堂に会して得意なる梧樓に至っては賢か愚か、ほとんど判じかたし”と序文を書いている事だ。この書の復刻版が平成4年と平成10年に別々の出版社から限定出版され、それぞれ22万円と16万円だったらしい。いやー拙は浅学にして全く知らなかったテーマだったので、興味深い講演でした。

     10時から午後3時まで俳句浸かりの一日でした。

                       (以上)

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by tnagareyama | 2017-11-01 09:43 | 俳句の会「交譲葉」 | Comments(0)


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