流山稲門会

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2015年 04月 01日

俳句の会「交譲葉」27年3月句会報告

①開催日時  27.3.28(土)10:00~12:00
②開催場所  生涯学習センター A―102会議室
③参加者   宮内・小西・漆野・朝倉・青木・小川・秋元・森川・菅原の9名
④兼 題   「桃の節句」・「当季自由題」
⑤選 句   3点句(5)、2点句(3)、1点句(9)を選句した。

(3点句):兼題「桃の節句」:

お内裏の欠けたる雛となりにけり・・・・・・・・・・・武   美(小川)
(選評)
  一対であるべきお内裏が壊れたのだろうか紛失したのだろうか。当然あるものが欠けているときの心の喪失感、虚無感はいかがばかりだろう。長年連れ添った夫婦でもいずれは別れの時が来る。現実なのか想像なのかそんな愛別離苦の運命軌跡をイメージとして投影させてしまうような句となっている。(妙見道生)
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ひな人形現の温もりわが膝に・・・・・・・・・・・・・・菅原 互酬 
(選評)                                   
  気品ある整ったひな人形はもちろん良いけれど、膝にのって確かな温もりを発してるお孫さんの可愛さは格別です。ひな人形を詠んでいる風で実はお孫さんへの愛おしさを吐露しているところが、面白いなと思いました。存在の確かさ、命の実感を、『現の温もり』と表しているところは詠み手ならではでしょうか。親子3代にわたる穏やかで円満な様子も思い起こされ、ほのぼのとした暖かさに包まれます。この句を自分の事として味わえる日が来たら良いなと思います。(武  美)

(3点句):「自由題」:

花筏浮き寝の旅に漕ぎいでし・・・・・・・・・・・・・・鴇  香子(朝倉)
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(選評)
  「花筏」の情景を美しいと思ったことは私にはない。あえて「美しい」という言葉を用いよというならば、それは「美しい侘しさ」であり「怖ろしい美しさ」であり人間の「美しい業(ごう)」とでも言おう。散り逝くものはすべからく哀しい。30句のうちこの句だけが俳句のように思え時、作者の名前を知らぬ間には作者を想像し、我ら仲間の俳聖のようだと思った。私のこれからの人生の何処かで、おびただしく散る花が水面に浮かぶのを観た時には必ずこの句を思い出すに違いない。遠くに置いてきた哀しいことを思い出すと同じように。
  今では作者を知っている。作者はこの句に皆川さんへの鎮魂の想いをこめてあるという。花は間もなく散り始める。皆川さんが花筏に乗って俳句をひねっているところを想像すると何かうれしい。(土龍庵主人)

 水草(みくさ)生う水面に雲は泳ぎけり・・・・・・・・・青木 艸寛 
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(選評)
  地に咲く植物と同様に水草も三月頃から水底から生い出て水面に現れてくる。その水面に雲が映り流れていく。情景を詠みつつ春の到来を喜ぶ作者の気持ちが伝わってきます。泳ぎけりと言う結句に感性の豊かさが見られます。(小西 小牧)

ここかしこ溢るる光彼岸入り・・・・・・・・・・・・・・武   美(小川)
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(選評)
  寒さが和らぎ、木々や草に花が咲き初め、あたり一面に陽光があふれて、正に春の到来である。ここかしこ溢るる光という簡潔な表現に春を迎える喜びが感じられる。(夢  心)

[2点句]
   
・真壁町遠近(おちこち)すべて雛の宴・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心(宮内)
・大らかに命はぐくむ春の海・・・・・・・・・・・・・・・・・・・武   美(小川)
・雛納めこの日今日より春海忌・・・・・・・・・・・・・・・・・夢   心(森川)
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[1点句]

・故郷の鰆届きて叔母卒寿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小西 小牧
・春の風心の襞をなで過ぎし・・・・・・・・・・・・・・・・・・小西 小牧  
・別るるを惜しみつ雛を納めけり・・・・・・・・・・・・・・・漆野 達磨
・埋められて鳴くや蛙の池の跡・・・・・・・・・・・・・・・・漆野 達磨                              ・送る日を迎えし桃の節句かな・・・・・・・・・・・・・・・妙見 道生(千葉)   
・旅立ちやつづく土手道青き踏む・・・・・・・・・・・・・・妙見 道生(千葉)
・ひとひらの桜思わず握りしめ・・・・・・・・・・・・・・・・土龍庵主人(秋元)
・花吹雪天に荒波あるような・・・・・・・・・・・・・・・・・・土龍庵主人(秋元)
・暖かな光背に受け春海忌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・菅原 互酬

⑥句会後記(鴇  香子)
a0017183_11241266.jpg  あのあたたかな慈愛を含んだ穏やかな笑顔、はにかみながらのユーモラス言葉・・私たちをご指導してくださった皆川春海さんが逝かれてもう1か月が経ちます。大事なものを失ったようなぽっかりと胸に穴の開いたような・・天国でも俳句を作っていらっしゃるでしょうか。
  そんな気持ちの人が多かったのでしょうか今月の句会は皆川さんを偲ぶ句が多かったです。私も「花筏・・」で偲びました。でも私たちは4年目に向けて句会を大切にして行きましょう。慌ただしい生活の中で絞り出す俳句はまさに記録になっていくからです。

                                   (以上)

by tnagareyama | 2015-04-01 11:33 | 俳句の会「交譲葉」 | Comments(0)


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